High-blood
血圧とは、血液が動脈内を流れる際に血管内壁を押す圧力のことをいいます。
収縮期血圧が140㎜Hg以上あるいは拡張期血圧が90㎜Hg以上の場合を高血圧症といいます。原因の不明な本態性高血圧と、基礎疾患を有する二次性高血圧に分けられます。
高血圧の90%は本態性高血圧であり、その多くは中年に発症し、数年から数十年の長い経過をたどります。原因は不明ですが、遺伝的な因子や塩分摂取量、肥満、体質、職業、精神的ストレスなどの環境的因子が関与しています。高血圧が持続すると、左心室肥大、大動脈や冠状動脈などの粥状硬化症、全身の細小動脈硬化症などにより臓器障害が発生し、脳血管障害、心不全、腎不全などを合併します。また拡張期血圧120~130mmHg以上の高血圧では腎不全が急速に進行し、眼の乳頭浮腫や網膜出血をともない、適切な治療をしないと比較的短い経過で死に至る場合があります。これは悪性高血圧とよばれ、一般に若年者にみられます。
血圧上昇の原因となる基礎疾患として腎性(慢性糸球体腎炎や腎動脈の狭窄など)や内分泌性、薬剤誘発性などがありますが、腎性高血圧の頻度がもっとも高いです。
分類 | 収縮期血圧 | 拡張期血圧 | ||
---|---|---|---|---|
正常域血圧 | 至適血圧 | <120 | かつ | <80 |
正常血圧 | 120~129 | かつ/または | 80~84 | |
正常高値血圧 | 130~139 | かつ/または | 85~89 | |
高血圧 | Ⅰ度高血圧 | 140~159 | かつ/または | 90~99 |
Ⅱ度高血圧 | 160~179 | かつ/または | 100~109 | |
Ⅲ度高血圧 | ≧180 | かつ/または | ≧110 | |
(孤立性)収縮期高血圧 | ≧140 | かつ | <90 |
高血圧は、合併症が起こるまで分かりにくく、高血圧の状態が長年続くと動脈硬化を起こします。心臓・脳・腎臓・眼などは影響を受けやすく、症状としてめまいや顔面潮紅、頭痛、疲労、鼻出血を伴うことがあります。
高血圧による心臓・脳・腎臓など変化によって、予後が異なります。高血圧症の期間が長ければ長いほど、その変化は大きくなります。したがって、この期間に十分に治療する必要があります。心臓・脳・腎臓の変化が進むとやがて脳卒中(脳梗塞・脳出血)や心筋梗塞、腎不全などで死に至ります。
1. 生活習慣の改善
(1)食塩制限 (2)野菜、果物、魚、コレステロール (3)適正体重の維持 (4)運動 (5)節酒
2. 各種降圧薬治療