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Liver dysfunction

肝機能障害とは

肝臓は沈黙の臓器と言われ、多くの慢性肝疾患の場合、自覚症状に乏しいのが特徴です。倦怠感や黄疸という症状で指摘されることもありますが、ほとんどは検診などの血液検査でAST(GOT),ALT(GPT)、ɤGTP,ALPなどの高値を指摘されることが多いと思います。

肝機能障害の原因

過量飲酒によるアルコール性肝障害のほか、ウイルス肝炎、脂肪肝、自己免疫性肝疾患、薬剤性肝障害、胆石などによる胆汁うっ滞などがあり、進行すると肝硬変・肝細胞がんになる場合があります。最近は肥満人口の増加により、非アルコール性脂肪性肝疾患(non-alcoholic fatty liver disease:NAFLD)が増加の一途をたどっています。

肝障害の治療は

まずは原因を調べる必要があります。採血検査や腹部超音波検査、CT・MRIなどの画像診断で原因を調べます。
原因に応じて、生活や食事指導、薬物治療、手術などが考えられます。
まずは、医療機関で検査を受ける必要があります

1. アルコール性肝障害

アルコールが原因の肝障害です。初期はアルコール性脂肪肝ですが、大量飲酒を続けると肝硬変に進行し、黄疸・静脈瘤からの出血・肝性脳症・胸腹水貯留などの肝不全症状や肝細胞がんを発症したりします。

<検査と診断>
健康診断などで肝機能障害を指摘された日常的に飲酒をされる方は、精密検査が必要です。大量飲酒を20年以上続けると肝硬変になる危険性が高くなり、特に女性ではその2/3程度の飲酒量や期間でも肝硬変になるといわれていますので注意が必要です。

<治療>
初期で軽症の場合には、節酒や週2日以上の休肝日などの飲酒習慣の改善が必要です。進行例では、完全な断酒が必要です。断酒には、精神科受診のほか家族のサポート、断酒会への参加が必要になります。

2. 非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD)

アルコールをあまり飲まないのに脂肪肝(肝臓に脂肪がたまった状態)になった疾患です。
肥満・糖尿病・脂質異常症・高血圧などを伴っている場合が多く、メタボリック症候群の一つです。長い経過を見ても脂肪肝のままでほとんど進行しない「非アルコール性脂肪肝:NAFL」と進行していく「非アルコール性脂肪肝炎:NASH」の2種類に分類されます。以前は、脂肪肝はあまり進行しないと考えられていましたが、最近、10~20%は徐々に進行し、肝硬変となり、肝細胞がんも発症するとわかってきました。
ウイルス肝炎は、ワクチンや新しい抗ウイルス剤が開発され、今後は減少していくと考えられますが、脂肪性肝疾患(NAFLD)は増加の一途をたどっており(推定で国内に1000万人以上)、脂肪肝炎(NASH)を原因とする肝細胞がんが増加中です。

<診断>
肝機能検査、肝炎ウイルス検査などの血液検査や超音波検査、飲酒量などの生活習慣から診断されます。脂肪肝炎(NASH)の診断には肝生検による組織検査が必要です。

<治療>
高脂血症の薬や一部の糖尿病薬が有効な場合もありますが、効果は限定的です。なんといっても食事・運動療法など生活習慣の改善による適正体重への減量が必要です。

ウイルス肝炎

肝臓が肝炎ウイルスに感染し、肝機能障害を引き起こす病気です。A型、B型、C型、D型、E型などがあり、A型、E型は慢性化しませんが、B型、C型肝炎は慢性化します。D型は一般的には問題になりません。



1. A型肝炎

飲食店を介した感染や海外渡航時などに生水や生ものの摂取により感染します。急性肝炎で発症し、慢性化することはなくほとんどは重症化せずに治癒します。国内での流行はほとんど見られなくなりましたが、海外からの輸入食料品による感染の可能性も指摘されています。予防は、HAワクチンの接種のほか、海外での生水、生ものの摂食を避けることです。

2. B型肝炎

B型肝炎ウイルスに感染している母親から出産・授乳で感染する母子感染。幼小児期の集団予防接種時(1948年から1988年)の注射器連続使用による感染。性交渉による感染などがあります。成人での感染では、急性肝炎を起こし、治癒することが多いのですが、母子感染や幼小児期や免疫不全状態での感染では、多くが持続感染(キャリア)となります。

<予防・治療>
B型肝炎ウイルスキャリアの配偶者や同居者、医療関係者はHBワクチン接種での感染予防が望まれます。治療はインターフェロンや核酸アナログ製剤の内服治療が行われています。
集団予防接種による感染が原因と考えられた場合には「特定B型肝炎ウイルス感染者給付金等の支給に関する特別措置法」による給付金支給も行われています。

3. C型肝炎

過去のウイルスに汚染された輸血、血液製剤使用、注射器の使いまわしや、適切な消毒をしないでピアスの穴あけや入れ墨を行った場合に感染の危険があります。母子感染や性交渉による感染は少ないとされています。急性肝炎を発症した場合、10~20%はウイルスは陰性化し肝機能も改善しますが、60~70%は持続感染(キャリア)となり慢性肝炎に移行します。そのうち10~16%は平均20年の経過で肝硬変に移行し、高率で肝細胞がんを発症します。

<治療・予防>
インターフェロンを中心とした治療が行われていましたが、近年、インターフェロンを使用せず、内服薬である直接型抗ウイルス薬(Direct Acting Antivirals:DAAs)が次々と認可されています。インターフェロンに比べて副作用も少なく、高齢者や合併症を有する患者も治療可能で、ウイルス排除率も格段と向上しました。国の医療費助成制度もあります。ワクチンはまだ実用化されていません。

4. E型肝炎

アジアにおける流行性肝炎の重要な原因ウイルスです。国内では、豚・イノシシのレバーの生食での感染が見られ、またシカ肉からの感染例も報告されています。死亡例もあり、特に妊婦では重症化しやすく注意が必要です。

<治療・予防>
他の急性肝炎と同様に治療は対処療法です。一般的な予防としては、流行地域では生水、生ものを避け、加熱したものを摂取すること。国内では、豚・イノシシのレバー刺や生焼けでの摂食を避ける必要があります。

※参照:日本肝臓学会、日本消化器病学会、国立感染症研究所など

肝機能障害を疑われる方やお悩みの方は、内科を受診されることをお勧めします。熊本市中央区の内科かかりつけ医(嶋田病院)へお越しください。
市電(慶徳校前電停)より徒歩2分。

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