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Pancreatitis

膵炎の種類

膵臓の炎症性疾患には、急性膵炎と慢性膵炎があります。

1. 急性膵炎

<病態>
急性膵炎では、様々な原因によって膵酵素が膵内で活性化し、膵組織や膵周辺組織を自己消化することによって浮腫・壊死・出血が生じます。軽症例では禁食などの治療によって寛解するが、重症化すると様々な合併症を生じます。

<原因>
過半数を占めるのは、アルコール飲料の多飲と胆石です。男性ではアルコール性膵炎が多く、女性では胆石性膵炎が多い。1日に60g以上のアルコールを摂取する大酒家は急性膵炎を発症する危険性が高いです。

<症状>
突然、激烈な上腹部痛をもって発症。心窩部または左季肋部に持続性に激痛を訴え、背部、左肩に放散します。また、嘔吐を伴うことも多いです。疼痛は食事やアルコール飲料の摂取で増悪します。嘔吐をしても疼痛は軽快せず、むしろ増悪します。

<診断>
病歴(大酒家、胆石)に加え、1.臨床症状(急性発症の上腹部を中心とした腹痛と圧痛)、2. 血中または尿中の膵酵素、3.超音波・CT・MRIなどの画像検査から急性膵炎を診断するとともに、重症度の判定を行う必要があります。

<治療>
膵炎そのものに対する特異的治療法はありません。急性膵炎の治療の要点は膵外物泌の抑制、疼痛対策、ショックなどの合併症対策ならびに二次感染の防止です。このため、ベッド上安静、禁食とします。急性膵炎では、循環血漿量が減少するのでこれを補正するために補液を行い循環動態を安定させ、電解質バランスを補正します。急性膵炎の疼痛は激しく持続的であり、発症初期から十分な除痛が必要です。

2. 慢性膵炎

膵臓の内部に不規則な線維化、細胞浸潤、実質の脱落、肉芽組織などの慢性変化が生じ、進行すると、膵の外分泌と内分泌の機能が低下します。臨床的には①膵炎発作を繰り返すが膵機能が保たれている代償期、②膵実質の脱落と線維化が進展し、腹痛発作は軽度であるが膵機能の低下による症状を主徴とする非代償期に分けられます。男女比は4:1で圧倒的に男性が多いです。

<原因>
原因はアルコール飲料の多飲が約60%を占めます。原因により、アルコール性慢性膵炎と非アルコール性慢性膵炎に分類されます。非アルコール性慢性膵炎には、突発性・遺伝性・家族性の膵炎、胆石性膵炎などがあります。

<症状>
腹痛や腹部圧痛などの症状が典型的であります。無痛性あるいは無症候性の症例も存在します。心窩部痛・嘔吐などの急性膵炎発作を数か月ごとに繰り返し、しだいに膵機能不全に陥る経過を示すタイプと、腹痛発作などの急性膵炎の病歴がなく、初診時から非代償期の症状である膵の内・外分泌機能低下と膵石などの検査所見を示すタイプがあります。膵の内・外分泌機能低下を示す症状としては、糖尿病や呼吸不良症候群による高血糖・食欲不振・体重減少・下痢などがあげられます。

<診断>
飲酒歴、反復する上腹部発作、血中または尿中膵酵素値の異常、膵外分泌障害などの病歴、検査結果から慢性膵炎を疑います。
特異的な画像所見(膵石の存在、膵管の変化)と組織所見(膵実質の脱落と線維化)が証明されれば慢性膵炎と診断できます。膵石は腹部単純X線・超音波・CT検査で証明されます。主膵管の不整な拡張や膵嚢胞などの変化は、内視鏡的逆行性胆管膵管造影ERCP・磁気共鳴胆管膵管像MRCP・超音波・CT検査などによって証明します。

<治療>
内科的治療がメインになります。
代償期における急性膵炎発作に対しては、急性膵炎の治療に準じます。慢性膵炎の治療基本は、原因の除去、食事療法、疼痛対策、内外分泌機能低下にたいする補充です。アルコール性膵炎では、断酒が大原則です。飲酒を継続する限り、膵組織の荒廃が進行します。食事は糖質中心の低脂肪[1日15~30g以下]とします。疼痛に対しては、抗コリン薬・非麻薬性鎮痛薬などを投与するが、疼痛緩和できないときには一時的に禁食として膵外分泌刺激を低下させ中心静脈栄養を行います。外分泌機能の低下に対しては、大量の消化酵素の経口投与を行います。また脂溶性ビタミンの投与も行われます。なお、内分泌低下、すなわち糖尿病の合併に対しては、エネルギー制限、運動療法、インスリンの補充が行われます。

膵炎を疑われる方やお悩みの方は、まず内科を受診されることをお勧めします。熊本市中央区の内科かかりつけ医(嶋田病院)へお越しください。
市電(慶徳校前電停)より徒歩2分。

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